日中支援加算ⅠとⅡの違い~記録の重要性について~

加算・減算

「日中支援加算ⅠとⅡって、どう違うんですか?」
「記録って、どこまで書けばいいんでしょうか?」

グループホームの事業者さんとお話していると、こうした質問を受けることが少なくありません。
制度や要件の違いがあいまいなまま運用していたり、記録不足で加算を取りこぼしているケースも見かけます。

そこで今回は、ⅠとⅡの違いと、運営指導(実地指導)で指摘されやすい記録面の注意点や改善例をまとめました。

日中支援加算ⅠとⅡの違い

日中支援加算は、利用者が日中のサービスを利用できない場合や、欠席時にグループホーム内で支援を行った場合に算定できる加算です。

Ⅰ型

  • 常時日中支援体制がある場合(例:日中サービス支援型GH)
  • ただし、介護サービス包括型や外部サービス利用型でも、利用者が連続して日中サービスを利用できなくなり、世話人等を常時配置する必要がある場合は対象になることがあります。

Ⅱ型

  • 欠席時等のみ支援を行うケースが多い場合
  • 平日は日中活動サービスを利用しているが、欠席や休業時にGHで支援を行う場合など

算定要件

配置は常勤換算基準内でのやりくりではなく、実地で支援している職員が存在することが必須です。

1.算定できない日がある

土日・祝日や、通所先がもともと休みの日は算定できません。

Ⅰ・Ⅱともに、個別支援計画と日々の記録の整合性が重要です。

2.通常の人員配置基準以外で職員配置が必要

日中支援加算の算定日には、通常の共同生活援助の配置基準とは別に、当該利用者の支援に従事する職員 を確保しておく必要があります。

これは加算の根拠となる「実際の支援体制」を示すためで、配置簿や勤務表でも裏付けできる状態が求められます。

記録においての注意点

加算の対象条件を満たしていても、記録や計画の不備によって返戻や減算になる事例が後を絶ちません。
運営指導では、書類や記録の細部まで確認されるため、日々の運用ルールが重要です。

次に自治体の公表事例から、特に多い指摘をピックアップします。

実地指導で実際にあった指摘事例

  • 作成・確認手順の不備(新潟市)
    月末にまとめて利用者に記録確認 → 提供の都度、確認を得る必要あり
  • 提供記録の誤りと対応遅れ(京都市)
    時間帯の記録ミスを半月後に訂正 → 事後対応の遅れが問題視
  • 個別支援計画への位置づけ不足(川越市)
    支援内容が計画に記載されていない → 加算根拠が弱まる
  • 算定対象外日の記録誤り(札幌市)
    対象外日にも加算算定 → 請求判断の誤り

これらの事例に共通しているのは、日々の記録と個別支援計画の整合性が取れていないことです。

記録に必ず含めたい5要素

指摘事例を踏まえ、記録に最低限含めておきたいのは以下の5つです。

  1. 支援の日時・時間帯(開始・終了時刻を明確に)
  2. 支援の内容(見守りだけでなく、具体的な支援行動を記載)
  3. 利用者の状況・変化(体調・行動・感情面など)
  4. 欠席理由の詳細(「体調不良」だけでは不十分。症状や経過も)
  5. 個別支援計画との関連(計画に基づく支援である旨を明記)

これら5つの要素は、単に「書いておけば安全」というチェックリストではありません。
実地指導の現場では、記録の質=加算算定の根拠の強さとして評価されます。

特に、支援内容や欠席理由の詳細は、後日になって記憶を頼りに書き足そうとしても、どうしても曖昧になりがちです。
また、個別支援計画との関連性が明記されていないと、支援が計画外と見なされ、加算の根拠が弱くなります。

つまり、日々の記録は「加算の請求書類」というより、事業所の支援の質と正当性を証明する一次資料です。
これは返戻や減算のリスク回避だけでなく、職員間の情報共有や利用者支援の一貫性を高める意味でも大きな役割を果たします。

記録の参考例

指摘事例をもとに作成した 日中支援記録フォーマットを考えてみました。

項目記入例
日付2025年8月5日(火)
利用者名/支援区分Aさん(支援区分4)
欠席理由発熱38.0℃のため通所を中止(朝の検温で判明)
支援開始時刻/終了時刻9:00〜15:30
支援内容午前:検温・服薬介助・安静見守り・水分補給促し
午後:体調確認・食事介助・相談対応
利用者の状態変化午前は倦怠感が強く横になって過ごしたが、午後には熱が37.2℃まで下がり、会話も増え、食欲が戻りつつあった。
職員の対応○○職員(生活支援員)が全体を対応。体温・脈拍を確認しながら、医療機関受診の必要性を判断。午後は食事時に咀嚼・嚥下の様子を観察し、むせ込みがないか見守った
個別支援計画との整合性確認欄該当計画:「健康状態が不安定な場合はホーム内で安静・服薬・見守り支援を行う」と記載あり。一致を確認。
備考医療機関受診は不要と判断。翌日から通所再開予定。

運用アドバイス

  • 記録後すぐに個別支援計画と突き合わせ、必要に応じて計画更新
  • 欠席理由は必ず具体的に(例:37.8℃発熱、嘔気あり)
  • 紙・データ両方で保存し、月ごとに整理

事業所の実情や自治体の指導基準に合わせて必ずカスタマイズしてください。

日中支援加算は、Ⅰ・Ⅱどちらも「日々の記録」と「個別支援計画」の整合性がポイントです。
現場では「体調不良」「見守りのみ」といった簡単な記録だけではなく、欠席理由や支援内容は具体的に、計画との一致も明記しましょう。


上記のフォーマットは私の考える一例なので、事業所に合わせてカスタマイズして使ってください。

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