基本報酬引き下げ~新規開設を考える方へ伝えたい視点~

法令・制度解説

12月16日の、新規指定事業所の基本報酬引き下げ に関する報道を受けて、
新規開設を検討している方だけでなく、
すでに運営している既存事業者からも問い合わせが相次いでいます。

「うちは既存事業所だけれど、影響はあるのか」
「新規はどうなるのか。制度はまた大きく変わるのか」

業界全体に不安が広がっている ことを肌で感じています。

もっとも、今回の動きは突然出てきたものではなく、
これまでにも制度の厳格化や見直しが示唆されてきました。
今回の報道は、令和9年の報酬改定を見据え、
一度立ち止まって整理する機会 と捉えることもできそうです。

今回の改定案のポイント

厚生労働省は、有識者会議において、
来年度の臨時改定として、新規に指定を受ける事業所のみを対象に、
一部の障害福祉サービスの基本報酬を引き下げる案を提示しました。

対象となるのは、就労継続支援B型、共同生活援助(グループホームの介護サービス包括型および日中サービス支援型)、
児童発達支援、放課後等デイサービスといったサービス類型で、
いずれも近年、事業所数が急増している分野です。

ここでまず押さえておきたいのは、
既存事業所の基本報酬は据え置かれるという点です。

なぜ新規だけが対象なのか

国が問題視しているのは、現在サービスを利用している方や、
すでに地域で役割を担っている事業所そのものではありません。

焦点となっているのは、
①収支差率が高い状態が続いていること、②事業所数が短期間で急増していること、そして、その増加が必ずしも③地域ニーズを反映していない可能性がある、
という点です。

今回の改定は、
既存の支援体制に急激な影響を与えることなく「これから増える部分にだけ一時的にブレーキをかける」という、限定的で応急的な措置だと読み取れます。

対象は「6月指定以降」?

今回示されている案では、来年6月の施行が想定されており、
新規指定事業所が対象とされています。

そのため、
6月以降に指定を受けた事業所から適用される可能性が高いと考えられます。

もっとも、
いつの指定分から対象になるのかといった最終的な線引きについては、
今後の告示や通知を確認する必要があります。対象になるのか)については、
今後の告示や通知を待つ必要があります。

申請を急いだ方がいい?

こうした情報が出てくると、
「6月までに指定を取りたい」という声が上がるのも自然です。

実際、弊所のお客様の中にも、当初は4月指定予定だった事業者様が、今回の報道を受けて3月指定へ前倒ししたケースがあります。

弊所としても、指定時期の前倒しは年末年始の業務スケジュールとも重なり、準備や調整の面で決して余裕のある対応ではありませんでしたが

この事業者様については、人員配置の目途がすでに立っていること物件や人員に関する事前協議は完了していることから、対応可能な範囲と判断し、ご希望に沿えるよう努めることとしました。

新規開設をお考えの方へ

今回の新規指定事業所の基本報酬引き下げは、新規参入を否定するものではなく、「中身」を重視しようとする動きだと感じています。

この報道を受けて慌てる気持ちはわかりますが、急いで物件を探したり、とりあえずの人材確保に動くことが、必ずしも最善とは限りません。新規開設では、焦って動くほど後からの負担が増えやすいのが現実です。

「その先も無理なく運営を続けられる体制かどうか」
慌てることなく、「続けられる体制」を優先して準備を進めることが大切だと考えています。

にしのみや福祉こあみ行政書士事務所では、
制度の動きや現場の実情を踏まえ、開設時期や体制についても含めた判断支援を行っています。

お気軽にご相談ください。