運営指導・監査の強化!事業者が今からできる準備とは?

トラブル・リスク対応

R7/3/14に実施された障害保健福祉関係主管課長会議の資料が公開されました。
この資料からは、令和7年度の運営指導・監査の強化について、より明確な方針が示されており、障害福祉サービス事業者にとって重要なポイントが多く含まれています。

特に注目すべき点は、運営指導の頻度が大幅に増え、より厳格な基準で監査が行われるようになることです。
これまで運営指導の実施率は全国平均で16.5%ほどでしたが、今後は3年に1回以上の指導が義務化され、新規指定後3年以内の事業所については100%対象となります。

運営指導・監査が強化される背景とは?

なぜ、ここまで運営指導・監査が強化されるのでしょうか?

 その背景には、事業所数の急増と、不正請求や基準違反の増加があります。

・営利法人が運営する事業所の増加に伴い、適正なサービス提供が行われているかのチェックが必要

・不正請求や報酬の過誤請求が全国で相次いでいる

・利用者の権利を守るため、サービスの質を確保する必要がある

こうした状況を受け、厚生労働省は運営指導・監査の実施頻度を上げることを決定しました。

 さらに、オンラインでの運営指導・監査を可能にすることで、自治体側の体制を強化し、より効率的に進める方針が示されています。

事業者が注意すべき3つのポイント

① 職員の配置基準と運営体制の見直し

適正な人員配置がされていない場合、運営基準違反とみなされるリスクがあります。
特に、職員の欠員補充が遅れるケースは運営指導等で指摘されやすいため、以下の点を確認しましょう。

基準を満たす職員が配置されているか?
欠員が出た際の対応マニュアルは整備されているか?
職員の資格要件に問題はないか?

配置基準の違反は、業務停止や指定取消にもつながる可能性があるため、早めに体制を整えておくことが大切です。

② 支援記録の作成・管理の徹底

支援記録の作成・管理が適切に行われていないと、不正請求や不適切な支援の疑いを指摘されるリスクがあります。

支援記録に関して、以下の点をチェックしましょう。

サービス提供の実態が記録されているか?
記録に漏れや曖昧な表現がないか?
一定期間の保存が義務付けられていることを理解し、適切に保管しているか?

運営指導・監査時には、記録の内容が適正かどうかが厳しくチェックされます。
日々の記録管理を徹底し、抜け漏れがないようにしましょう。

③ 苦情・トラブルの対応強化

監査では、利用者や家族からの苦情・トラブルの有無も確認されます。
特に、虐待やハラスメントが疑われる事案については、事前通告なしでの監査が実施されるケースもあります。

以下の点に注意して、適切な対応を行いましょう。

利用者や家族との定期的なコミュニケーションを図る
対応のマニュアルを整備し、記録を残す
虐待防止研修やハラスメント対策の研修を実施する

日頃からトラブルを未然に防ぎ、利用者・家族との関係を良好に保つことが、重要です。

まとめ:慌てず、日頃からやるべきことをやる

このように運営指導・監査の強化が具体的に進められることが明確に示されましたが、大切なのは日頃から適正な運営を心がけることです。

職員の配置基準を守り、支援記録の作成・管理を徹底し、利用者とのコミュニケーションを大切にする。
こうした基本的なことを確実に行うことで、慌てることなく運営指導を迎えることができます。

「慌てず、日頃からやるべきことをやる」

この意識を持ち、利用者の安心と安全な暮らしのために適正な運営を続けていきましょう。