ここ最近、障害福祉サービス施設、とりわけグループホームの運営を取り巻く状況はますます厳しくなってきています。
不正受給や虐待の報道もあり、「福祉をお金儲けの手段にしている」と見られてしまうような風潮の中で、
誠実に、健全に運営している事業者ほど苦しんでいる――そんな現実もあるのではないでしょうか。
それに加えて、利用者の獲得や職員の採用・定着にも苦労し、給付単価の中でのやりくりも限界が見えてきています。
だからこそ、これからのグループホームには、“強み”となる支援の軸が必要です。
私が注目しているのは、次の2つの取り組みです。
■ 自立生活援助事業の活用
■ 「親なきあと支援」への本格的な関与
親御さんが抱える不安に、グループホームがどう応えられるか
障害のあるお子さんと暮らしてきた親御さんが、高齢になってまず口にするのは、
「私がいなくなったあと、この子はどうなるんでしょうか?」
という言葉です。
グループホームという選択肢は、その不安を軽減するものではありますが、「入居=ゴール」ではないと私は考えます。
今の暮らしの先に「この子が一人でも地域で暮らしていける未来があるのか」
そこまで見通した支援こそが、今後のグループホームに求められていくのではないでしょうか。
自立生活援助は、親なきあと支援の“しくみ化”の鍵
そのときに大きな力になるのが「自立生活援助」という制度です。
退居後も定期的に居宅を訪問し、生活の困りごとに対応することができる。
医療・福祉サービスとの調整や、見守りもできる。
これは、親なきあとの「安心のしくみ」を制度として作ることができる貴重な手段のひとつになるのではないか?と考えています。
私が今、取り組んでいること
私自身、行政書士としてグループホームに関わる中で、この「親なきあと支援」と「自立生活援助」の組み合わせが、
これからの事業の在り方を変える、大きな鍵になると確信するようになりました。
そこで今、 地域の相談支援専門員・社会福祉士・各士業・福祉事業経験者などと連携して、
「親なきあと支援×自立生活援助」をテーマとした支援チームの立ち上げに取り組んでいます。
単に制度を整えるだけでなく、
ご本人の生活への想い、家族の不安、支援現場の現実をすくいあげていけるような、
あたたかい、そして継続性のあるチーム支援を目指しています。
親なきあとの不安を“信頼”に変えるグループホームへ
この取り組みを進めることで、次のような変化が起きると考えています。
- 親御さんからの信頼が深まり、「このホームなら将来も安心」と思ってもらえる
- グループホームに「次のステージ」があると示すことができ、相談支援専門員からの紹介にもつながる
- 支援チームとの連携を通じて、地域とのネットワークが強化される
つまり、自立生活援助は単なるサービスの一つではなく、「信頼と安心を育てる仕組み」でもあるのです。
私は、そんなグループホームを全力でサポートしたい
グループホームを営む皆さまの想いは、もっと地域に伝わっていい。
そして、現場の悩みにこそ、制度としてできる支援がある。
その橋渡しをするのが、私の役目だと思っています。
自立生活援助の導入支援、親なきあと支援の企画やチームづくりのご相談、
必要であれば、制度設計や書類整備、自治体との調整まで――
一緒に取り組んでいけたらうれしいです。