はじめにー勉強会に参加して
先日、親なきあとの「グループホームの選び方 保護者が気をつけること」という勉強会に参加しました。
実際にご自身でお子さんのグループホームを選ばれた保護者の方が登壇され、現場で見てきたこと、感じたこと、時にはとても辛口なご意見も交えながらのお話でした。
正直、胸に刺さる言葉もたくさんありました。
でも私は、「本音」で語っていただけたことに、大きな意味があると感じました。
保護者の皆さんが求めているのは、「安心して託せる場所」であり、
グループホームは単なる“サービスの場”ではなく、“大切な家族が暮らす場所”なのだということを、あらためて実感しました。
グループホームの運営の現実
今、特に小規模なグループホームでは、
- 職員の確保が難しく、常に人手不足
- 経験の浅いスタッフが多く、教育の時間も足りない
- 管理者やサービス管理責任者が、現場の直接支援に入っている
こうした運営体制の中で、事務作業にまで手が回らないという現状があります。
そのため、法令改正や制度変更の情報が十分に届かず、
知らないうちに「不正請求」と判断されてしまうこともあるのです。
もちろん、悪意があるわけではありません。
それだけ日々の支援に追われ、余裕のない中で運営されているという現実があるのです。
想いだけでは続かない。けれど、想いがあるから支えたい
これまで私が関わってきたグループホームの多くは、
「利用者さんのために何かしたい」という強い想いを持って立ち上げられた事業所ばかりでした。
でも、想いだけでは人も資金も続かないのが、福祉事業の厳しさでもあります。
私は、想いを持ちながらも、
しっかりとビジネスとして持続可能な体制を築こうと努力している事業者さんを、全力で支えたいと思っています。
現場の「困った」を支えるために
私は行政書士として、以下のような業務を通じて、グループホーム運営の「裏側の仕組み」を整えるお手伝いをしています。
- 加算や人員の変更に伴う届出
- BCP(事業継続計画)の策定
- 運営規程や重要事項説明書、利用契約書の作成・更新
- ワムネットへの情報入力や修正対応
- 国や自治体からの情報伝達、解釈説明
- その他行政調査や書類作成、事業所からの質問や疑問への回答など
特に、法改正や制度変更の多いこの業界においては、専門家による継続的なサポートが必要だと実感しています。
現場が「支援」に集中できるように、「事務」の部分を外から支える。これが、私の役割です。
安心は「仕組み」と「対話」から生まれる
保護者の方が安心できるグループホームとは、
単に「良い支援」を提供するだけではなく、
- 明確な体制があるか
- 緊急時の対応が整っているか
- 定期的な情報共有の機会があるか
- 地域とのつながりがあるか
といった“仕組み”が整っていることが求められます。
でも現実には、こうした仕組みを整える余裕がない…という声も多く聞きます。
地域連携推進会議という「対話の場」
これから私が大切にしていきたいことの一つが、
地域連携推進会議という“対話の場”のサポートです。
保護者の方と事業者の間には、ときに目線の違いやすれ違いが生まれます。
でも、対話を通じて少しずつ理解し合うことができれば、
「ここで暮らしていける」「ここに託してよかった」と思える関係が築けるのではないかと感じています。
地域連携推進会議は、利用者さんやご家族、地域の方々、福祉の専門職などが集まり、
暮らしの場を、地域全体で支えていくための話し合いの場です。
これから、こうした会議の準備や進め方についても、
必要に応じてお手伝いしていきたいと考えています。
対話が生まれる仕組みをつくることで、少しでも“安心できる暮らし”に近づけるように、そんな支援を目指していきたいと思っています。
このような“顔が見える関係づくり”を支援することは、
親御さんの「本当にここで大丈夫?」という不安に対して、仕組みと対話で応えることにつながると考えています。
制度として今年度から義務化されたこの会議を、
必要な準備から運営サポートまでしっかりお手伝いし、
「安心できる暮らしの場」づくりに貢献していきたいと思っています。
最後にー選ばれるグループホームとは
選ばれるグループホームになるためには、
「親の声を聴き、それをもとに運営を見直す姿勢」が何よりも大切です。
小規模な事業所だからこそ、柔軟に変えていける部分があります。
経験不足でも、外部の力を借りながら補っていくことができます。
私は、そんな前向きな事業者さんと一緒に、
“安心して暮らせる場所”を地域に増やしていきたい。
そして、そこに住まう利用者さんと、そのご家族が「ここにしてよかった」と思えるような、そんな居場所づくり、そして居場所を守る支援を続けていきたいと考えています。